(府中市)市民聖苑 開設から30年、大規模改修工事計画が公募プロボーザル入札不調で暗礁に(府中市議会議員 ゆうきりょう)
府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。
府中市内にある「府中の森市民聖苑」が建設以来、30年以上が経過し、施設の老朽化に伴う大規模改修計画において、設計・施工やその後の管理運営に民間企業の資金やノウハウ(PFI手法やPPPなど)を活用できるか、その可能性を調査・検討しています。
1,導入検討の背景
府中の森市民聖苑は、通夜・告別式・火葬・法要を1カ所で行える府中市民専用の利便性の高い公営施設です。しかし、開設から30年の年月が経ち、施設の老朽化が進んでいることから、大規模な改修工事が必要な時期を迎えています。さらに、近年の高齢化に伴う火葬需要の増加や、家族葬の増加といった葬儀ニーズの多様化にも対応していく必要があります。
2,民間活力導入(PFI/PPP)のねらい
府中市では従来のように、行政がすべてを公費だけで発注・管理するのではなく、民間事業者の技術やアイデアを公募して取り入れることで、以下のメリットを目指しています。
(1)コストの削減と効率化: 民間のノウハウにより、設計・建設・維持管理に Gambled(無駄)のない効率的な予算執行を行う。
(2)市民サービスの維持・向上: 工事期間中も極力、市民の火葬や葬儀に影響(ストップ)が出ないような計画を立てる。また、使い勝手の良い現代的な施設へとリニューアルする。
(3)安定的かつ持続可能な運営: 将来にわたり市民が低価格かつ安心して利用できる環境を維持する。
3,現在の進捗状況・・公募型プロボーザルが入札不調
府中市は公共施設マネジメント推進プランに基づき、民間活力導入の可能性についての「サウンディング型市場調査」や「基本計画の策定」を実施してきました。その検討ステップを経て、事業者を選定するための公募型プロポーザル(事業提案のコンペ)を開始し、具体的な設計・改修の段階へと移っています。しかしながら、この間、2回の公募型プロボーザルを実施しましたが、いずれも入札不調に終わっています。理由は人手不足、資材単価の高騰などが主なものと分析されています。当初は令和9年(2027年)9月末頃にかけて、その具体的な設計や工事スケジュールの整理が行われる予定でしたが、現在はまだ工事着工の目途はたっていません。
★府中の森市民聖苑とは(Wikipediaより)
東府中市の公営斎場・火葬場である「府中の森市民聖苑」は、1996年(平成8年)6月に開設されました。
1,設立の背景:旧米軍基地の跡地利用
市民聖苑がある場所は、もともと旧米軍府中基地があった土地です。
基地が日本側に返還された後、その広大な跡地を利用した都市計画の一環(再開発)として整備されました。周辺には同じく基地跡地に造られた「府中の森公園」や「府中の森芸術劇場」、「府中市美術館」が隣接しており、市民の文化的・公共の利便性を高めるエリアとして一体的に開発されました。
2,全国でも稀な「都市立地型」の総合斎場
1996年の竣工当時、最寄り駅(京王線・東府中駅)から徒歩約12分という好立地に、火葬場と複数の式場をあわせ持つ総合斎場を建設することは、全国的にも珍しい都市立地型の斎場施設として注目されました。建物の設計は株式会社梓設計が手掛け、周囲の「府中の森公園」の自然と調和するよう、水や自然光、自然素材を多用した厳かな空間として造られています。
3,市民のための「聖苑葬儀」の確立
開設以来、一貫して府中市民専用の施設(故人または喪主が市民である場合のみ利用可能)として運営されています。
また、費用負担を抑えて安心して葬儀を行えるよう、市と地元の葬儀業者が協定を結んだ「聖苑葬儀」という独自の仕組みが敷かれ、長年地域に定着しています。
4,近年の動向
多様化する市民のニーズや高齢化社会に対応するため、近年も運用が見直されています。たとえば2025年(令和7年)1月からは、霊安室の運用方法の変更や火葬枠の増設など、時代に合わせた利便性の向上が図られています。
5,府中の森市民聖苑の大規模改修工事の目的
同聖苑は1996年(平成8年)の開設から約30年が経過した同施設の老朽化対策と、高齢化に伴う死亡者数の増加(火葬ニーズの拡大)に対応するために実施される計画です。
令和7年(2025年)1月に策定された「府中の森市民聖苑改修基本計画」に基づき、現在は基本設計の策定などの準備段階が進められています。
(1)工事の主な目的と内容
①施設の老朽化対策
開設から30年近くが経ち、建物本体や内部設備、火葬炉などのインフラ更新・長寿命化を図ります。
②火葬や葬儀のニーズ変化への対応
近年増加している死亡者数(高齢化社会の影響)への対応に加え、家族葬や直葬(火葬式)といった「葬儀の簡略化・多様化」という現代の市民ニーズに合わせた環境づくりを行います。
③「稼働を維持しながら」の工事
市民聖苑は地域に不可欠なインフラであるため、施設を完全に閉鎖せず、運営を継続しながら分割して工事を進める計画(仮設計画の検討)になっています。
④DBO方式の導入検討
設計・施工からその後の維持管理・運営までを民間企業へ包括的に委託する「DBO(Design-Build-Operate)方式」に向けた事業費算定なども並行して行われています。
~今日、都内23区では火葬場がないこと、またはその利用料金が高騰していることが問題となっています。府中市では市民聖苑が1996年に開設し、市民だけでなく、他自治体の住民の方も多くの方々が利用されてきました。同聖苑の計画にあたり、当初は一部住民の方々による反対運動もあったと聞きましたが、高齢社会をむかえた今日、建設開設されたことは大変意義あるものであったと、歴史的に検証されることでしょう。(府中市議 ゆうきりょう)
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