現場から介護の実態の告発と、心の通い合う介護保険制度を実現するために・・府中社会保障推進協議会が学習会

共産党府中市議団では9月議会において、現在政府(社会保障審議会)で審議されている介護サービスの削減策が、府中市にどのような影響を与えるかについて質しました。具体的には、要介護1と2の生活援助の施策について国が要件からはずしてまうこと、福祉用具貸与と住宅改修の原則自己負担化の影響、さらに来年4月からは介護保険制度のなかから要支援1と2のサービス(生活援助やデイサービス)がはずされ、自治体が行う制度に移行することなど、市の総合事業移行への準備状況について、服部議員が質疑を行いました。
府中市は答弁で「要支援1と2に対する総合事業への移行について、現行相当サービスは残すが、基準を緩和したサービスについても検討している」「緩和される生活援助については、研修修了者によるサービスとなり、デイサービスでは看護職員などの基準が緩和され、いずれも現在の利用料の9割程度となる」というもの。服部議員は「制度内容が緩和され、有資格者ではない人による介護サービスが実施されることへの懸念、また9割単価によってサービスが低下しないこと、あわせて介護事業者が今後も運営を続けていける事業報酬を保障することを要望しました。
また福祉用具貸与の自己負担化に対しては、老人会やケアマネの団体などから、介護の重症化を招くと反対の世論があがっていることを紹介し、来年には結論をだすという厚労省に対して、市が意見書をあげるよう要望しました。市長からは「今後具体化が示されるが、見直し策を注視し、必要に応じて東京都や政府に働きかけを行うこと、また市長会などを通じても要望を行いたい」との答弁がありました。また9月議会では厚生委員会において、市民団体から同様の趣旨を求める陳情が提出され、全会派一致で採択されました。
今朝は府中駅北口で挨拶、午前から午後にかけて打ち合わせ、夕方には宣伝を予定。さて10月2日(日)の毎日新聞1面トップで、介護保険制度改定にかかわって、事業所の報酬が半減することにより、撤退する介護事業所が急増する懸念を伝えています。記事では、「要支援1と2の介護保険利用者に対する訪問介護とデイサービスで、新方式の介護サービスに参入する事業所数が、従来の5割未満にとどまる」と報道しています(毎日新聞による全国157自治体調査)。記事にもありますが、「この新制度のもとで、事業所への報酬を下げるのが原則で、それまでサービスを提供したいた事業所が、採算がとれないと参入を断念している」としています。
府中市も来年度から新総合事業に以降します。この記事と同じ懸念が、地域の介護事業所からも伝えられています。市の高齢者支援課が市内の介護事業所を対象に、新総合事業の説明会を開催したところ、3割の事業所が欠席しているという報告をききました。推察ですが、この3割の事業所は来年度からの事業を継続をあきらめているのではないかという声もあります。また利用者の側もこの新制度がスタートすること自体、また内容がどう変わるかなど、知らない住民が多くいるのではないかと思われます。
共産党議員団でも、この問題を一般質問で取り上げていますが、市からの積極的な動きがまだ伝わってきません。新制度移行後も、行政に対し介護サービスの質を落とすことなく、事業所や市民に対するケア策を求めていきます。