21 7月

児童福祉司を1.6倍に、2000人増 政府の虐待防止策

今朝(21日)の毎日新聞朝刊1面に、東京目黒区で5歳の女子児童が虐待され死亡した事件をうけ、政府は20日の関係閣僚会議で児童防止虐待の緊急総合対策を決定したと報じています。記事では「児童相談所(児相)で相談や保護者らの指導を担う児童福祉司を2020年度までに約2000人増員することを柱に、虐待防止プランを年末までに策定するとしています。

とくに今回の目黒区の事件の場合、その家族が香川県から東京目黒区に転居した際、児相間で情報共有が徹底されていなかったことから、今度の対策では虐待をうけた子どもが転居した場合の対応も強化したとのこと。また「転居にともない児相間で対応を引き継ぐ『ケース移管』や虐待の通告があった後、親の拒否などで48時間以内に子どもと面会ができない場合は、強制的な対応もできる立ち入り調査を行い、安全確認を徹底するとあります。また児相と警察との間で児童虐待の情報共有する案件について、これまで「重篤な事案」などと抽象的だったが、虐待による外傷、育児放棄(ネグレクト)、性的虐待と明記するとのことです。

私も今、岩波新書の「児童虐待」(2006年)という書籍を読んでいるところですが、この児童虐待は早期発見がカギではあるものの、一方でその親が頑なに調査を拒否し、児童福祉司や警察との間トラブルとなるケースも多々あり、改善が進んでいない現状があるとのことです。それを今回の対策では強制的な対入りも強化することとなります。共産党都議団も議会で知事に対して、児童相談所の拡充策などの具体的な要望もしており、また今回の政府の緊急策もうけて自治体でもその具体化が図られることとなると思います。私も一度、こうした事態の変化をうけて、市議会で質したいと考えています。

結城亮(結城りょう)

23 6月

待機児童 東京都はなぜ大幅に減ったのか

【朝日新聞多摩版の報道から・・対前年比較41%減、都内34市区調査】

 

今朝(23日)の朝日新聞多摩版に、都内の待機児童数がなぜ大幅に減少したのかという記事が掲載されています。記事ではこの成果について分析し「自治体は保育園を増やした成果を強調するが、長引く待機児童問題を受けた『産み控え』や、国、自治体による認可外施設への『誘導』も指摘されている」としています。

このなかで都は認可保育所の大幅増設をすすめた成果を強調していることに対して「待機児童減の背景には、そもそも認可保育園への申込みが減っていることもある。34市区中、前年と比較が可能な25市区のうち14市区で申し込み数が減っていた」「待機児童が多い0歳、1歳児についてみると、1歳は前年より1388人少ない10万9698人、で4年ぶりに減少に転じた。0歳も2834人減の10万5265人で、2年前に減少に転じている」とし、こうした現象について日本総研研究のコメントを紹介し「『保活』の激戦化が少子化を促した可能性を指摘。「保育園が足りないことで、『2人目が生まれたら仕事を辞めなきゃいけない』と産み控えたり、東京都への転入にブレーキがかかったりしているのではないか」と伝えています。

 

【そもそも自治体が子どもを認可外に『誘導』しているのか?】

 

さらに記事では「自治体が認可外だけに申し込むよう『誘導』して、そもそも認可に申し込まない人が増えている可能性もある」としています。「確かに国は認可外の『企業主導型保育所』に通う子どもについても、待機児童数にふくめなくてよいことを積極的にPRしている」とあります。

この記事にあるように、この間政府は認可外保育所への財政支援策を強めてきました。私も先日、託児所のある事業所にお子さんを預けながら、その事業所に勤務しているお母様の相談をうけました。府中市においては多摩26市のなかで、待機児度数は「ナンバーワン」が近年続いています。

この朝日の記事の分析にあるように、これだけ「保活」が激しくなると、お子さんを2人目、3人目と欲しくても、産むことをためらってしまう方は多くいるのではないでしょうか。だとすると、この国の「国策」として、少子化を推進しているのではないかと思えてしまいます。その結果、人口が減っていくわけですから、「国の力」というようなものは、失われていくのではないでしょうか。この記事を見て、この数年間、府中市の認可保育所への申込み数はどうなっているのか再度確認し、私も市の待機児童数の内容を分析して、議会でも取り上げたいと思います。

結城亮(結城りょう)

20 6月

杉並区長選挙へ「保育園ふやし隊」が準備・・子育て政策等アンケート(訂正再掲)

※6月16日付の私のブログ「杉並区長選挙へ 保育園ふやし隊が準備・・子育て政策などアンケート」の文章のなかで、「保育園ふやし隊の小林彩香事務局長」とありますが、正しくは「保育園ふやし隊の事務局の小林彩香さん」の誤りでしたので、訂正して再掲させていただきます。大変失礼いたしました。

 

【毎日新聞東京版の報道から・・有権者の要求が選挙戦を動かす】

 

今日(16日)の毎日新聞東京版に、24日投開票で行われる杉並区長選挙の記事にむけて、子育て世代が首長選挙の候補者に独自アンケートで政策を問う動きが広がっていることを伝えています。記事では「杉並区は16年に『すぎなみ保育緊急事態』を宣言、一時は300人近かった待機児童が、今年4月にはゼロになった」「(保育園ふやし隊の事務局の小林彩香さんは)声をあげれば変わる。私たちが政治に関心をもつことが、子育てしやすい社会をつくる一歩なんだと思う」と語っています。また小林さんは「理想論ではなく、本当に実行できるかを知りたい。具体策があるのか、どれくらいの情熱があるのか。保育園問題に詳しくなくても、考えるきっかけにしてほしい」としています。

この記事では先日行われた中野区長選挙においても、地元グループ「子育て環境向上委員会」が住民生活にかかわる課題について、候補者にアンケートを行い、有権者に各候補の主張と政策を伝え、有権者に投票を呼び掛けていったという記事もあります。

 

【結城りょうの視点・・住民による要求型選挙戦が行政、政治家を動かす】

 

杉並区では、待機児童が多くなり、子育て世代の住民を中心に要求運動が高揚し、行政を動かしたのは、最近のことです。私も議員になって思うことは、行政というものは、住民の運動や世論の「圧力」がないと動かないものだと思いました。

それが一番鋭いかたちであらわれるのが、選挙ではないでしょうか。政治に対して有権者が立ち上がって、候補者の政策を問い、主権者たる国民、住民に選挙戦の争点を訴えることで、投票を呼び掛けるという手段が、今日においては本当に重要だと思います。国民は政治に意思を表明する手段としては、選挙において一票を投じるという権利があるわけです。国民が政治を諦め、政治に無関心を装い、選挙に行かないことで、政治家や役人が「堕落」するわけで、一部の既得権集団が政治を牛耳るような事態になってしまうわけです。

政治は国民のものであり、主権者たる有権者こそが主役です。杉並区や中野区で展開された有権者による要求型の選挙戦(とくに首長選挙)は、政治家や行政を動かすための最大の「圧力」となることを、証明しているのではないでしょうか。

結城亮(結城りょう)

19 6月

都内の「隠れ待機児童」1万5千人余り・・共産党都議団調査 待機児童3倍に

 共産党都議団は18日、都内の待機児童数(今年4月1日現在)の独自調査結果を公表しました。それによると、目黒、大田、中野の3区を除く都内20区、30市町村から回答があったとのこと。都議団は「国が定義する待機児童にあたらず自治体が集計に含めていない『隠れ待機児童』は計1万5441人にのぼる」と発表しました。都議団の報告から、回答があった50区市町村の待機児童は4783人になり、実際の隠れ待機児童は待機児童の約3倍にのぼることになります。

 先日、東京都は都内の待機児童は今年4月1日現在で5千人あまりとなり、対前年同期から約3100人の減少したとの見解を示しました。共産党都議団は記者会見で「認可保育園を中心に取り組んだ努力は評価する」と都の施策を一定評価、しかし「自治体が発表する待機児童と認可保育園に入りたい子供の数が相当乖離(かいり)していることは問題だ」との認識を示しました。

 

【府中市は隠れ待機児童数は273人】

 

ちなみに共産党都議団の独自調査によると、府中市は「国の定義の待機児童数」が248人、「隠れ待機児童数」では273人となり、計521人となっています。また「認可保育所」が5049人、「認定子ども園」が1人、「地域型保育事業」が31人、「一時預かり事業」が6人、「企業主導型保育事業」が10人、「保護者が休職」が28人、「認証保育事業など地方単独事業」が178人、「特定の保育所等希望」の子どもが51人となっています。共産党都議団の調査から、どの自治体も国の定義におさまらない「隠れ待機児童数」が存在していることが、明確になりました。こうした党独自の調査も踏まえて、今後議会でも質していきたいと思います。

結城亮(結城りょう)

18 6月

待機児童3割減、5200人・・政令市・23区、保育施設新設で

【読売新聞多摩版の報道から・・施設用地確保に苦心続く自治体】

 

今朝(18日)の読売新聞1面トップ、3面で読売新聞独自取材による23区と政令市における待機児童数が減少したとの記事があります。同社集計では、昨年より3割減少し、3年ぶりの減少。「保育施設を新設して定員増が効果があった」と分析。「一方で、用地不足から園庭がない施設の新設も目立つ」ともあり、保育施設の確保に苦労する自治体の姿が浮かばれます。

記事によると「昨年、全国で3番目に待機児童が多かった目黒区では、今春330人と半減。世田谷区では372人減、大阪市は昨春より約5分の1を減らした」とあります。いずれも自治体の公的施設の跡地を活用したりするなど、土地を確保することに苦心しています。また3面では東京都荒川区の新設保育所においては、私鉄の高架下に開設されるなどの実態も伝えています。

数年前から待機児童数の問題が国会でも議論になり、国も規制緩和策を導入して、待機児童解消を第一にしてきましたが、一方で保育環境の悪化も懸念されています。記事では「親から『園庭がないのに、保育士が足りず公園まで遊びにつれていけないと言われた』『施設が狭い』などの声が寄せられている」「待機児童解消は急いでほしいが、子どもの安全や安心にしわ寄せでは本末転倒。自治体は子どもがのびのび育つ環境つくりを工夫してほしい」という、市民の声も紹介しています。

府中市も今春、253人と昨年より130人以上の待機児童減となりましたが、まだ多摩26市ではトップの状況です。府中市はまだ土地は比較的あると思いますが、保育士が不足する保育所もあります。先日も親御さんと同居されているというお母様から相談があり、「子どもを保育所に入所できず託児所がある職場に勤務しているが、賃金が安すぎることと長時間労働のために、生活が大変だ。親と世帯を分離して別々に生活した場合、認可保育所に入所できるでのか」という相談がありました。器(保育施設)をつくっても、保育士が不足していては、安全な保育は保障されません。国と自治体による保育士の待遇改善策を求めることとあわせて、今後も現場の声と実態をつかみながら、行政に要望し、議会で取り上げたいと思います。

結城亮(結城りょう)