12 10月

(府中市)府中市の3つの大型事業(府中駅南口再開発、市役所新庁舎建設、新学校給食センター)が可能となった背景とは(府中市議会議員 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

この数年来、全国の自治体では公共工事の入札が不調に終わり、暗礁の乗り上げているケースが多数あります。府中市においても、府中市民聖苑とリサイクルプラザの大規模改修工事が入札不調で、その計画が止まっています。

★「災害に強く、子どもから高齢者までが安全かつ快適に暮らせる近代的な持続可能都市」をもたらした3つの大型事業とは

一方で府中市は、2010年代に、①府中駅南口再開発事業、②新市役所庁舎建設、③新学校給食センターの、3つの大型事業を同時期に計画実施しました。当時、これらの3つの大型事業を同時並行して進めることに、懸念する声もありましたが、市はその背景として「施設の深刻な老朽化」「防災・安全性の強化」「都市の競争力と利便性の向上」という共通の課題をあげ、財源的裏付けをもって計画実行しました。

2010年代に3つの大型事業を集中投資して実施したことにより、市の財政面における市民負担や建設費高騰に対する議論や懸念を指摘する議員もありました。しかし結果として、「災害に強く、子どもから高齢者までが安全かつ快適に暮らせる近代的な持続可能都市」へと生まれ変わるための重要なインフラ刷新となったことは指摘しておく必要があります。

★1つ目の大型事業・・府中駅南口再開発事業

府中駅南口周辺は古くからの中心的商店街でしたが、老朽化した木造家屋が密集し、道路も狭く、防災面や利便性において大きな問題を抱えていました。私の記憶だと2011年か12年に同駅南口の商店街で火災が発生し、これを機会に再開発事業が本格化したと記憶しています。また、周辺都市に大型商業施設ができたことで、中心市街地としての商業競争力が低下していたため、近代化が急務でした。

①同事業のメリットとは
2017年7月に複合施設「武蔵府中ル・シーニュ」が完成し、1982年以来から計画、実施されてきた40年越しの再開発が完了しました。敷地が統合・不燃化されたことで駅前の安全・安心(防災力)が確保されたほか、各再開発ビルがペデストリアンデッキで接続されて回遊性が向上し、商業・公共施設・医療・住居が一体となった快適な駅前空間が創出されました。

★府中市役所新庁舎建設

市役所の旧庁舎は1950〜60年代に建てられたものであり、耐震性の不安や設備・構造の深刻な老朽化が進んでいました。また、敷地が手狭(狭隘)で、市民サービスの向上や大規模災害時の「防災拠点」としての機能・オープンスペースが著しく不足していた点が課題となっていました。さらに2011年3月11日の東日本大震災の発生が背中を後押しする形で、新庁舎建設の構想が一気に進みました。

①新庁舎建設のメリットとは
新庁舎の建設は段階的に建設が進められ、23年8月に1棟の「おもや」が完成。優れた耐震性と防災拠点機能の確保とあわせて、ユニバーサルデザインの導入による市民サービスの向上が図られました。さらに、図書館や多目的スペース、市民が憩える広場や通路(通り庭)などを設けることで、市民協働や地域の賑わいづくりの拠点としての役割を強化しています。 2棟目の庁舎「はなれ」は、この9月に完成し、令和9年1月から供用開始を予定しています。

★新学校給食センター

学校給食センターについては、それまで南町で稼働していた2つの給食センターが昭和40年代〜50年代に開設、稼働していました。しかしながら40年以上が経過して老朽化が著しい状態であることが指摘され、また国の「学校給食衛生管理基準」への適合、アレルギー対応の強化、食中毒リスクを抑える最新の衛生環境への転換が強く求められていたことも、課題でした。

①新学校給食センター建設のメリット
2017年9月に同給食センターを朝日町の旧調布基地跡地に移設、稼働し、1日最大22,000食を調理できる、全国で最大級の給食センターとなりました。特徴として、床に水を流さない「ドライシステム」の導入や食材の一方通行化により徹底した衛生管理(食中毒リスクの低減)を実現したほか、専用の独立した部屋によるアレルギー対応(乳・エビ・カニ等の対応拡大)や、調理工程を見学できる食育の拠点としての機能が加わりました。

★3つの大型公共施設計画による、市の財政への影響とは

①物価高騰直前の滑り込みによる恩恵
府中市はこれらの3つの大型事業を2010年代から2020年代前半にかけて集中して計画、実施してきました。その結果、本格的な世界的大インフレ(資材高騰や人手不足)の波に直撃される前に、大半の計画を順調に進めることができ、財政的な致命傷を回避できたことは、評価されていいと思います。

②基金と起債による計画的な活用と財政調整
市役所庁舎などの建設にあたっては、財政への急激な負担を避けるため、市が計画的に積み立ててきた基金(貯金)の切り崩しと、市債(借入金)の発行をバランスよく組み合わせて平準化を図っています。また経済環境では、2012年からスタートしたアベノミクス(大規模金融緩和、積極的な財政出動)による、低金利政策のもと、財源確保には恵まれた環境と言えました。またこの時期、市内にある一部特定大企業からの法人市民税が、年々増額し、市財政に多大な貢献がありました。こうしたことも、府中市には追い風となりました。

③今後の他のプロジェクトへの制約
一方で3つの大型事業には多額の市税も同時投入されたため、今後の投資的経費に一定の縛りが生じていることは事実です。市は今後「小中学校の校舎改築」「分倍河原駅周辺の再整備」「新総合体育館の建設」といった新たな大型プロジェクトを控えていますが、これらは近年の物価高騰や人手不足の影響をダイレクトに受けるため、財政運営の舵取りがより慎重(行政コストの低減や事務事業の見直し)になっています。

今後の大型事業と公共施設の再編をめぐり、どの程度の市財政への影響があるかについては、次回また解説したいと思います。(府中市議 ゆうきりょう)

  

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※ 府中市議会議員  ゆうきりょう の朝の駅頭市政報告は、原則、毎朝下記の予定で行っています。駅頭では「市政通信」を配布しています。市政相談、生活相談なども受け付けています。なお雨天時や、自身の都合により中止の場合がありますが、お気軽にお声をおかけください。駅頭には朝5時~8時までいます。

月曜日・・西武線多磨駅東口

火曜日・・京王線多磨霊園駅南口

水曜日・・京王線東府中駅北口

木曜日・・西武線多磨駅西口

金曜日・・京王線多磨霊園駅北口

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