13 10月

(府中市 基地跡地留保地)浅間町の基地跡地留保地の活用の歴史は、どうような変遷をたどったのか(府中市議会議員 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

先日、市民の方から「府中市にある府中基地留保地活用の歴史を、概要でいいので知りたい」との要望をいただきました。そこで概要について、その歴史を簡単にまとめました。

1,国の財政方針の転換、国家プロジェクトの二度の頓挫の歴史

府中市の浅間町にある「府中基地跡地留保地(および米軍通信施設跡地)」の活用の歴史については、昭和50年(1975年)の米軍基地の大半の返還から始ったとのことです。国の財政方針の転換、国家プロジェクトの二度の頓挫、そして希少動物の発見や完全返還を経て、現在の「自然環境保全・公共中心」の計画へと至る、約半世紀にわたる複雑な変遷の歴史を持っているのが特徴です。

(1)基地返還と「三分割」による手付かずの始まり(1975年〜)

①1975年(昭和50年)・・ かつて旧陸軍燃料廠だった場所が戦後米軍に接収され「米軍府中空軍施設」として使われていましたが、大部分が日本政府に返還されました。 [

②三分割答申(1976年)・・その後、返還された約60.8ヘクタールの土地は、国の審議会により①国による利用(現:航空自衛隊府中基地)、②地元自治体利用(現:府中の森公園や生涯学習センター等)、③留保地(将来の公共需要に備え処分を保留する土地)という、3つの用途計画に分割されたとしています。このうち、約15ヘクタールの「留保地」が、その後長きにわたり手付かずのまま残されることになり、それが現在もある基地留保地の土地です。

2,国の経済方針の転換と最初の計画(2003年〜2012年)

(1)「原則利用」への転換(2003年)・・政府の財政制度等審議会が「留保地も計画的に有効活用・処分すべき」との方針を打ちだされたとあります。これにより、市は活用計画の策定を迫られます。

(2)国家プロジェクトの誘致と頓挫(2008年〜2012年)・・ 府中市は2008年に「国家公務員宿舎」や「国立医薬品食品衛生研究所」を移転、建設する大規模な利用計画を国に提出したとのことです。しかしながら、地元の反対運動や国の行政改革の方針を受け、2012年にこの移転計画はすべて白紙撤回となりました。

3,民間商業化の検討と「オオタカ」の生息による、計画の見直し(2015年〜2020年)

(1)民間活用の模索(2015年〜2019年)・・国家プロジェクトによる 計画が頓挫したため、府中市は2015年度から改めて検討を開始しました。その後、2019年には大和ハウス工業などの民間事業者を交え、民間商業施設や低層住宅、医療福祉施設などを誘致する「3つのゾーン①商業施設、②住宅地、③公園などに分けた複合開発案」をまとめました。この計画案は、当時存在していた米軍施設(府中通信施設)が、その後も存続するという前提のもとでの計画となりました。

(2)オオタカの発見と二度目の白紙化(2020年)・・2020年3月に新たな利用計画を国へ提出。しかしながら、その後の国の自然環境調査によって、敷地内の生い茂った森に絶滅危惧種の猛禽類「オオタカ」が営巣・繁殖していることが判明しました。この貴重な自然環境を保護するため、再び計画の抜本的な見直し(白紙化)を余儀なくされました。

4,76年ぶりの「完全返還」と現在の計画(2021年〜現在)

(1)米軍通信施設の完全返還(2021年)・・その後突如、留保地の真ん中に唯一残されていた未返還の米軍施設「府中通信施設(約0.78ヘクタール)」の返還が決まりました。このことで2021年9月30日に日本へ引き渡され、これにより、終戦から76年をかけて基地跡地全体の完全一体的な再開発が可能となりました。

5,「環境保全と公共」への舵切り(2025年改定)・・ 府中市は2025年5月に「府中基地跡地留保地及び米軍通信施設跡地利用計画」を改定することになります。当初検討されていた3つの用途による活用方針から大きく変わり、「貴重な緑や自然環境の保全と調和させた街づくり」へとシフトすることになりました。

6,現在進められている活用構想

 現在は、長年廃墟のようになっていた通信鉄塔などの解体撤去(オオタカの営巣期を避けて実施)や土壌・環境調査が着々と進められています。今後は、以下の整備構想が議論・計画されています。

 (1)予定されている主な施設・整備

①全面的な公園整備・・新設される幹線道路の東側をすべて公園化にする計画です。既存の府中の森公園などと一体となった活用計画です。

②オオタカの保全区域・・希少な猛禽類などの生息環境を守るためのエリアを設定します。

③生涯学習センターの解体と新総合体育館(5000人収容規模のスポーツアリーナ) の建設・・令和11年度に生涯学習センターを解体し、令和15年度中に新総合体育館の建設をめざすとしています。

④インフラ・防災拠点の整備・・美術館通りの歩道拡幅(約1.5mから3.5mへ)の完成、また公園内に新しい道路の整備をする予定です(2030年度末完了予定)。

~府中市は都市間競争に優位に立つ戦略の1つに、基地留保地内に新総合体育館を建設し、スポーツアリーナやコンサートホールなどの活用を構想しています。また約半世紀にわたり開発が「留保」され森となったことで、結果として市街地に貴重な自然が残る形となり、現在はそれを次世代へどう継承していくかが問われています。

※ゆうきりょう のブログをご覧になった方で、府中市への要望などお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、学校教育など、なんでも結構です。 アドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします) 住所・・府中市紅葉丘2-6-3、メイプルタウン吉野D202

※ 府中市議会議員  ゆうきりょう の朝の駅頭市政報告は、原則、毎朝下記の予定で行っています。駅頭では「市政通信」を配布しています。市政相談、生活相談なども受け付けています。なお雨天時や、自身の都合により中止の場合がありますが、お気軽にお声をおかけください。駅頭には朝5時~8時までいます。

月曜日・・西武線多磨駅東口

火曜日・・京王線多磨霊園駅南口

水曜日・・京王線東府中駅北口

木曜日・・西武線多磨駅西口

金曜日・・京王線多磨霊園駅北口

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