07 4月

府中市 ケアマネジャー(介護支援専門員)が不足する事態はなぜ起こっているのか(その2)・・行政は市民にケアマネの業務を周知啓蒙を(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

★ケアマネの実態は「なんでも屋」!?

ケアマネジャー(介護支援専門員)が不足している問題について、先日、現場で働く方から話を伺う機会がありました。

①ケアマネの業務面について、その業務が多種多様となっていて、行政(府中市)や医師会からも介護保険制度以外の制度の窓口としての依頼が多すぎる傾向があり、これは全国的な問題でもある。

②居宅介護支援業務における運営指導が、不透明でその時々の指導者によって指導内容が異なる。

③行政として、ケアマネができる業務の啓蒙や発信力が低く(弱く)、とりあえずケアマネに相談してくださいと丸投げの依頼が多い。

④ケアマネ試験を受けるための基礎資格や必要経験年数の条件を満たして、難解な試験に合格してキャリアップしたにも関わらず給与が低くなる現実があり、退職される方もいる。

毎年、地域包括圏内において、約1000人単位で高齢者が増えている事態があり、介護保険を利用する方はケアマネがマネージメントをしないと、保険を使えない仕組みにある。同時に介護を必要とする絶対人数が増えているのに、ケアマネが少なくなる事態は、憂慮すべき事態であるとの認識を、国も自治体も真剣に考えるべきと考えます。

★横浜市はケアマネの業務を明確にしたミニパンフを作成、介護保険利用者に啓蒙周知する

行政がケアマネの業務と役割を明確にして、介護保険を利用する方に指示してほしいという要望が強くあります。先進自治体として横浜市のケースを伺いました。横浜市はこの問題について、簡易なミニパンフを発行していますが、以下のように記述しています。そこには「ケアマネジャーには、介護保険法のルール上、ご本人の立場や尊厳を守るためにできないことあります」としたうえで、以下のように定めています。

~ケアマネの業務内容ではないこと~

①金銭管理をしてほしい・・ご本人が金銭管理ができないときには、成年後見制度や日常生活自立支援事業を活用してほしい。

②病院い連れて行ってほしい・・通院の介助が必要な時は、訪問介護による通院など乗降介助などを利用してほしい。

③保証人になってほしい・・病院や行政機関に相談しましょう。

※他にも・・携帯電話の操作や手続き、庭の芝刈り、草むしり、買い物や掃除などの家事、家屋の修理、日常的な安否確認、害虫やネズミの駆除、税金などの手続きや支払い、救急車への同乗

~ケアマネジャーの本来の業務内容~

①ケアプラン(居宅サービス計画)の作成、②定期的な訪問、③介護保険サービスの提案、④サービス事業者などとの連絡調整、⑤サービス担当者会議の開催、⑥給付管理業務

以上のような内容について、横浜市はミニパンフを発行し、介護保険利用者、ケアマネ利用者に周知啓蒙しています。

現場のケアマネの方も、完全には周知徹底は難しいとは思うが、行政が横浜市のような広報物を作成し、介護保険利用者に周知するだけも効果はあると思うと話をされていました。私もぜひこの課題について、6月の市議会一般質問でも取り上げたいと思います。(府中市議 国民民主党 ゆうきりょう)

※ゆうきりょうのブログをご覧になった方で、府中市に対するご意見、ご要望、苦情などありましたら、お気軽にメールなどお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、教育など、なんでも結構です。メールアドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします)

06 4月

府中市 ケアマネジャー(介護支援専門員)が不足する事態はなぜ起こっているのか(その1)・・厚労省の分析より(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の不足が問題となっていますが、厚生労働省の老健局による資料では以下のように分析しています。

1,ケアマネジャーの業務範囲外と考えられる依頼への対応(居宅介護支援事業所調査)

①直近1年間において業務範囲外と考えられる依頼に1回以上対応した事業所は67.5%であった。

②その理由として「緊急性が高く、自事業所で対応せざる得なかったため」が72.5%と最も多かった。

2,居宅介護事業所のケアマネジャーの業務範囲内と考えられる業務と実際に対応している業務

①介護保険制度以外の行政への手続きや申請の代行、支援

②本人や家族からのサービス調整などに関わらない、電話などへの対応、時間外相談

③代読・代筆

④入院・通院時の付き添い、送迎 (以上、厚労省老健局の資料から)

3,ケアマネの人材確保と定着に向けた方策について

(1)課題

①ケアマネージャーは、保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務または、一定の相談活動援助業務に従事した期間が通算して5年以上である者が、介護支援専門員実務研修受講試験を受験し、合格後の介護支援専門員実務研修を修了することにより、介護支援専門員の交付を受けて資格を取得することができる。

②介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数は、平成29年度までは10万人を超えていたが、平成30年度の受験要件の見直し後に減少し、現在は5万人弱となっている。合格者数も平成29年度までは2万人を超えていたが、現在は1万人ていどとなり、合格率は概ね20%台で推移している。

③ケアマネージャーの従事者数(実数)は、平成30年度の189,754人をp-クに減少傾向となり、令和4年度は183,278人となっている。

④さらにケアマネージャーとなっても、業務多忙や体力面、賃金などを理由に離職する者もおり、介護を要する高齢者が増加していくなかで、将来的にいっそう深刻な人材不足となる可能性が高く、人材確保は喫緊の課題となっている。

4,さらに議論を深めていただきたい論点

①ケアマネジャーの人材確保について、どのような考え方で進めていくことが適切と考えるか。

②介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数の増加のため、保有資格や実務経験等の受験要件の拡大や、受験しやすい試験方法に見直すことについてどう考えるか。受験資格を拡大することとしば場合、質を確保する方策にどう考えるか。

③また、ケアマネジャーとして従事している者の離職防止や、離職・退職したケアマネジャーの職場復帰に向けて、どのような対応策が考えられるか。

④離職要因としては「事務負担・業務負担の大きさ」「賃金・処遇面」「年齢:体力面が多い。

~ケアマネジャーの不足は府中市だけでなく、全国的な課題となっていますが、上記の厚労省の分析について、今後、国はもちろん、都道府県、また介護現場の最前線である市区町村がどのような対策を打ち出すかによっても、ケアマネジャー確保が変わってくるのではないかと、私は思っています。

★ケアマネの関連団体が、要望を取り上げるのは難しい(府中市のケアマネ団体)

私は以前、府中市長あての令和3年度予算要望のなかで「福祉施設や介護現場で働くケアマネージャーの要望について、本庁(市の関係部署)が吸い上げる仕組みをつくるよう検討してほしい」と要望しました。市の回答は「ケアマネージャーの要望については、関連団体でとりまとめのうえ、市に要望をいただければ検討します」というものでした。

一般的回答としてはこれでいいのですが、関連団体でとりまとめられないのが現状のようです。一人ひとりのケアマネージャーから、市に対して要望するのはやはり「困難」ではないでしょうか。今日では市の方から、新型コロナの感染拡大防止のために、積極的にケアマネジャーから意見や要望を聞くという姿勢こそ求められていると思います。(府中市議 国民民主党 ゆうきりょう)

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02 4月

府中市 高齢者災害時 要援護者の個別避難計画を作成へ・・府中市令和7年度予算のポイント⑯(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

府中市令和7年度予算のなかに高齢者向け施策が複数レベルアップ事業(予算の増額)があるので、そのなかの1つを紹介します。

①高齢者災害時要援護者支援事業費(個別避難計画の作成)・・災害対策基本法改正にもとづき、避難行動の支援を必要とする高齢者の個別避難計画を作成するもの。予算・・167万円

★現状は民生委員や町内会による紙媒体での名簿管理、自治体は2025年までに名簿提出の努力義務

以前の読売新聞にNECが2024年にも市町村向けに高齢者らの災害時避難計画について、デジタル化するシステムを提供するとの記事がありました。現状は町内会などが情報を集めて紙媒体で名簿を管理する仕組みですが、デジタル化を通じて安否情報を即座に共有することで、被災時の逃げ遅れ解消につなげるとしています。

この記事にもありますが、災害時の避難計画は要支援者の高齢者や障害者ごとに個別に作成しなければなりません。「21年の災害対策基本法が改正された際、市町村には25年までをめどに整えるよう努力義務が課せられている」とのことです。しかしながら記事では「23年1月時点で、『全部策定済み』と回答した市町村は約9%のみ」とあります。

また同記事では「避難計画は要介護度など個人情報のほか、避難先や経路などを記録する」「新たなシステムではタブレット端末に情報を入力、クラウド上で保管、避難経路は入力データーをもとに自動作成するため、10分程度で作業が終わる」とのことです。

★市町村と町内会による情報管理の共有で避難対策もスムーズになる

このソフトによるデジタル化で、「民生委員や町内会の役員らが情報を聞き取って紙に記入して、市町村と共有する手間がなくなる」としています。「またデジタル化することで、市町村と町内会が要支援者などの情報共有をできる」のとあわせて、「被災状況を踏まえて避難の優先度をサイト上で示すことが可能となる」とし、「支援者に対しても災害時発生時にスマートフォンによる支援要請を自動通知する」としています。これにより、「人手が確保しやすくなれば、要支援者の逃げ遅れ解消につながる可能性もある」と記事にあります。

恐らく府中市においても要支援者のデジタル化はまだ未対応だと思われます。NECは府中市内にもある有力企業なだけに、恐らく今回のデジタル化システムの提供については、同社から市に対して情報が寄せられていると思われますが、私もこの課題についてぜひ質疑で要望したいと思います。(府中市議 国民民主党 ゆうきりょう)

※ゆうきりょう のブログをご覧になった方で、府中市への要望などお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、学校教育など、なんでも結構です。 アドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします) 住所・・府中市紅葉丘2-6-3、メイプルタウン吉野D202

11 3月

府中市 ケアマネジャー(介護支援専門員 ケアマネ)の職場環境改善を求めたい・・市内で減少するケアマネに行政も職場環境改善策を(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

昨日の府中市議会予算特別委員会で、私は市内で減り続けるケアマネの問題について若干の質疑をしました。介護現場で働く方から「府中市内のケアマネが減り続けている、また他市へ流出しているようだ」とのお声を伺うことがありました。

★府中市内で減り続けるケアマネージャーの数

担当者にこの数年の市内におけるケアマネ人数の推移についてたずねたところ、平成30年が180人、令和2年が159人、令和4年が150人、令和5年が143人と減り続けていることも明らかになりました。この原因についてたずねたところ「介護職の収入の課題、低賃金で労働環境などが問題」という答弁でした。またケアマネの業務以外に在宅高齢者の方から、どんなことを求められるのかとの質問には「郵便郵送や宅配の支払い、部屋の掃除、ごみ出しなど雑務を要望される」との答弁でした。

★ケアマネが本来業務以外、何でも屋として「活用」されている実態

在宅介護の柱ともいえるケアマネ(介護支援専門員)の本来業務以外のことを、多く求められ、いわば「何でも屋」、家政婦さんのような扱いされ、ケアマネさんを「ケア」するものがないことが問題ではないかと主張しました。そこで以前、静岡新聞に掲載された記事を紹介し、静岡市がこのケアマネの問題について職能団体とも協力して、啓発用のリーフレットなど作成し、啓発していることなどを紹介。この記事によると「ケアマネにとって家事の代行、家事支援は業務の対象外だが、高齢化が進むなかで近所に身寄りがいない独り暮らし高齢者、認知症の高齢者、またその家族から依頼されるケースが多い」として、「ケアマネは何でも屋のイメージがついている」(職能団体「静岡市ケアネット協会の関係者)。

★静岡市では職能団体と協力して対策を講じる

記事では「同協会は解決策として手始めに、絵などでケアマネ業務を分かりやすく紹介するリーフレットを作成、先行する横浜市の事例を参考に行政と連携して取り組む方針で、静岡市も協力する姿勢を示す」とあります。また「他の機関につなぐべき業務」はその対応先として、「NPOやボランティア団体、サポート事業者をあげた。住民主体の安価な有償ボランティアが対応する地域もあり、検討会は市町村が地域課題として協議すべきと指摘」しているとあります。(参考資料、静岡新聞1月11日付)

★もはやケアマネの善意に頼れる状況ではない

もはやケアマネの方々の善意や親切心だけに頼れる状況ではなく、府中市もケアマネの職能団体とも協力して、静岡市のような対策を講じるべきと主張しました。恐らく市の介護保険課の担当者の方も、こうした現場のケアマネの声は知っていると思われますが、現状、対策が打てない状態でいるのではないでしょうか。この問題については、ぜひ6月の市議会一般質問でも掘り下げて取り上げたいと考えています。

※在宅高齢者がケアマネージャーに「業務外」の依頼をするケース(静岡新聞1月11日記事より)

①主な例・・部屋の片づけ、ゴミ出し、買い物などの家事支援、②福祉サービスの利用や利用料支払いの手続き、③入院や入所中の着替えや必需品の調達、④死後の事務など

~こうした業務に本来対応するのは、自費サービス、NPO団体、ボランティア団体、地域包括支援センター、社会福祉協議会、終身サポート事業、市町村などです~

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22 2月

府中市 高齢者救急通報システム・・在宅高齢者の緊急時に、携帯電話などの連絡先でも利用可能に(府中市令和7年度予算案のポイント⑨)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

府中市の令和7年度予算案のなかに、「高齢者救急通報システム事業費」が計上され、在宅高齢者の緊急時に、速やかに通報を行うことができる救急通報システムについて、固定電話のアナログ回線がなくても、携帯電話などの連絡先があれば利用できるよう利用要件を緩和するものです。

今後高齢者の一人暮らしがさらに増えることが予想されるだけに、こうした行政サービスの拡充について、ぜひ期待したいものです。

★町田市では見守りサービスについて、75歳以上の一人暮らし、住民税が非課税世帯を対象に

また以前の朝日新聞多摩版に町田市が高齢者の見守りサービスのひとつに、市内一人暮らしの高齢者方で、長時間にわたって電気がついていたり、消えたままになっていたりした時に、家族らにメールで通知する見守りの事業を始めたと報じています。

この記事では「ヤマト運輸が提供するサービスを活用した取り組みで、サービスの利用料金を1年間、市が全額負担する」としています。また「自宅の電球を専用の電球『ハローライト』に取り換えることで、長時間の点灯や消灯など異変を察知」「事前に登録された家族らに知らせる。依頼に応じて同社のスタッフが訪問して安否を確認する」とあります。また「毎日使用する洗面所やトイレに設置してもらうことで、自宅で倒れていたり、病気で動けなくなっていたりするケースの早期発見が期待できる」そうです。

この行政サービスについて、町田市は月額1078円の利用料金を1年分を負担、翌年以降は同社と利用者の直接契約になり、利用料は自己負担になるそうです。対象は75歳以上の一人暮らし、住民税が非課税で、専用機器による救急通報システムを使用していないことが条件とのことです。

★高齢者の見守りサービスは費用対効果の面でも成果あり

私も2018年6月議会で地域の孤立死対策について質疑をしましたが、今進展している急速な高齢社会と単身世帯が増える状況下において、行政が一定の見守りサービスを行う意義は大変大きなものがあると思います。それは住民が孤独死に陥った際にかかる様々な諸経費と比較しても、費用対効果がある施策ではないでしょうか。こうした施策が全国に広がることを期待すると同時に、府中市でも制度活用をぜひ呼びかけ、自治体独自の施策として何かできることがないか、質したいと思います。(府中市議 国民民主党、 ゆうきりょう)

※ゆうきりょう のブログをご覧になった方で、府中市への要望などお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、学校教育など、なんでも結構です。 アドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします) 住所・・府中市紅葉丘2-6-3、メイプルタウン吉野D202