29 6月

高齢者の孤立防げ、広がる支援・・自治体が戸別訪問、交流拠点など

【介護サービスを利用していない世帯に個別訪問で要望を聞く・・練馬区】

 

今日(29日)の朝日新聞多摩版では、ひとり暮らしのお年寄りの孤立を防ごうと、都内の自治体で高齢者から困りごとや相談相手の有無などを聞いて支援につなげる事業が展開されているとのことです。記事では「都の在宅支援課によると、高齢者の見守りをするために職員を配置し、相談窓口を設置する補助事業を2010年度から開始。18区市町が取り組んでいる。職員が対象世帯を戸別訪問したり、地域に交流拠点を設置して高齢者に困りごとを聞きだしたりするなどしている」とあります。記事ではこの制度を利用している練馬区の活動を紹介。「同区では4月、介護サービスを受けていない区内の一人暮らしの高齢者やその世帯を対象に、職員の訪問事業を始めた。」とあり、介護支援にあたる区内25ヶ所の地域包括支援センターに社会福祉士などの資格をもつ訪問支援員を配置、高齢者の申請の有無にかかわらず自宅を戸別訪問するとのことです。

また都の補助事業を制度として取り入れいている、国分寺市の高齢者支援課のコメントを掲載し、「一人暮らしの高齢者を地域とつなげ、地域の力で支えることができるよう働きかけていきたい」としています。

 

【府中市では未実施の制度】

私もこの6月議会の一般質問で、行政と地域の支えあいと独居世帯に対する孤立死予防の施策について質疑をしたこともあり、大変関心をもってこの記事を拝見しました。この都の事業について、まだ府中市では実施をしていません。府中でも、介護保険の適用が可能でありながら、介護保険の適用を申請していない高齢者住民は多数いると思われます。行政は一般的に自分からの「申請主義」を建て前としていますが、今後急速に進展する高齢社会、また増える可能性がある孤立死対策をはじめ、行政と地域住民の支えあい施策を発展させるためにも、引き続き、私も現場の声を聞いて、行政を動かしていきたいと思っています。

結城亮(結城りょう)

05 6月

介護施設3割が入所拒否・・増える「身元保証」ない高齢者

【東京新聞の報道から】

 

先日5月21日付の東京新聞夕刊1面で、「高齢者が介護施設に入所する際、身元保証人がいない場合、受けいれ拒否する施設が約3割に上っていることが、厚労省調査で判明」との記事がありました。記事では「単身や身よりのない人らが保証人を用意できないケースで、国は入所を拒否しないよう求めているが、施設側に費用の支払いや死亡時の引き取りなどへの不安がある」としています。

記事によるとこの調査は委託先のみずほ銀行総研が昨年実施したもので、特養ホームや老健施設など4900ヶ所に実施したもの。高齢者施設が保証人に求める役割としては「緊急時の連絡」「遺体や遺品の引き取り」「入院時の手続き」「利用料の支払いや滞納時の保証」との回答が多数とのこと。あわせて厚労省は医療機関にも実態調査をして「医療機関でも身元保証人がいないことを理由にした入院拒否があることから、厚労省は全国6000ヶ所の医療機関にも同様調査を実施。6月に公表する」とあります。

 

この種の話はよく聞く所ですが、大手紙が掲載したことで社会問題になりそうです。高齢者施設がこうした事態に陥っているもうひとつの原因としては、やはり介護従事者、介護職員が不足していることも起因しているのではないでしょうか。高齢者介護施設の職員は低賃金、過重労働で労働力確保がままならない状況です。根本的な矛盾の解決を図らねばなりません。

なにより高齢社会の今日、一番困窮するのは高齢者施設に入所するべき方々が、この記事のような事態のもとで、生命が守られない状況にあるわけです。府中市においてもこうした事態があるのかどうか、私も調査検証したいと思います。

結城亮(結城りょう)

31 3月

筋ジス患者に校閲委託・・業務効率化、障害者支援

【読売新聞多摩版の記事より】

今日(31日)の読売新聞多摩版には、府中市広報において、市は4月から障害者の就労支援などを目的に、市の「広報ふちゅう」に掲載するお知らせ記事の修正、校閲作業を筋ジストロフィーの患者団体「コパン」に委託することが掲載されています。記事によると「(市の広報紙)の業務効率化や障害者の活動支援のため、催し物や講座などを紹介する記事については、作業の委託を検討。16年4月から、市障害福祉課の紹介で、市の会議のテープ起こしを請け負っていた同団体に白羽の矢を立てた。1年間36号分の委託費は約40万円。市広報課は「大変な面もあるが、期待している。今後、業務や委託団体の拡大も検討している」としています。

【結城りょうの視点・・自治体による障害者雇用の意義を民間にも広げたい】

自治体が障害者の方々を少しでも公共業務の委託をすることは、大変意義あることだと思います。こうした障害者雇用(委託作業)が今後、少しでも民間業者にも広がり、障害者雇用の場が広がることは社会的にも意義あることだと思います。今後もさらに自治体の取り組みに期待し、私も現場の声をよく聞いて、市内の民間業者にも障害者雇用の取り組みを促進させることを、市に要望していきたいと思います。

05 3月

「母と娘、孤立の末に 札幌のアパートに2遺体、82歳と52歳(北海道新聞)

【8050(はちまるごーまる)問題とは・・】

 ニュースでは、「捜査関係者は『2人は都会の片隅で誰にも気付かれずに亡くなった。何とか救う方法はなかったのか』と漏らした」、「道警によると、1月6日午後、検針に来たガス業者が異変に気付き、別室の住民が室内に入り遺体を発見した」と報じています。

【早期発見と生活困窮者を早期に救済できる体制を求める】

 このニュースを見て、「またしてもこうしたことが起きてしまったのか」とまず思いました。私も市内の不動産業者の方から、最近相次いで孤独死に遭遇したという経験を聞きましたが、この札幌の場合は親子による孤独死(孤立死)です。しかも札幌市内という北海道の中心地ともいえる場所で、こうしたことが起こることに、憤りを感じます。格差と貧困の社会の犠牲者ともいえる方だと思いますが、地域コミュニティーの有り方が問われる事件だと思います。また行政側に対しても、インフラ関係者や不動産屋などと「見守り協定」などを結んで、早期発見や生活困窮者の相談に応じることのできる体制を求める必要があると思います。住民の命を守る砦としての自治体に対し、私も「8050」問題について、調査してどこかで取り上げたいと思います。

18 2月

老後破産・・長寿という悪夢(NHKスペシャル取材班、新潮文庫)

先日、新潮文庫から出版された「老後破産、長寿という悪夢」を、一気に読みました。これは以前、NHKがスペシャル番組として放映した内容をもとに、文庫本にしたものです。この本の感想を一言にすると、誰しもが貧困の生活と人生に簡単に転落してしまうということです。そして日本にはもはや「社会保障」という制度は存在しなくてなってしまったということです。病気をすれば高額な医療費がかかり、親の介護では生活が成り立たなくなり、年金ではもはや暮らしていけない老後の人生が待ち構えているという、冷酷な事実です。それはこの著作でも言うところの「老後破産」との言葉が当てはまります。私は昨日のブログで政府も高齢者雇用対策を本格化すると書きましたが、政府も国民に対して満足な生活を保障する年金を支給する考えはなく、言葉は言い過ぎですが私たち国民を「死ぬまで働かせる」、そんな気がしないでもありません。

私は、1月13日付ブログで「高齢者の独居率が2040年推計で男性20%、女性が24%にのぼる」と書きましたが、今後の日本社会は老後破産と生活保護利用者がますます増える社会になるということを思わざるえません。これでは国家は衰退するばかりではないでしょうか。安倍政権は国民を「分断と対立」に持ち込みますが、今こそ私たち共産党は国民各層との「連帯と団結」でこれからの時代にたちむかわなくてはならないと思います。