06 10月

(府中市 ケアマネジャー)深刻なケアマネジャーの不足の背景、その現状と課題とは(府中市議会議員 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

ケアマネジャーの不足が全国的な問題になっていますが、府中市においても深刻です。急速な高齢社会の今日こそ、ケアマネジャーが必要とされているにも関わらず、不足する現状は、介護保険制度の前提が成り立たなくなっていることを意味します、私もこの間、複数のケアマネジャーの方から、相談をいただき、現状と課題が浮かび上がっています。

1,「シャドウワーク(法定外業務)」による負担増

府中市の調査によれば、ケアマネジャーの約7割(70.3%)が「本来業務以外の対応」に負担を感じているとのことです。

(1)内容: 制度上の規定にない相談や生活支援の引き受け、夜間・休日の相談対応(43.6%)などです。

(2)背景: 高齢者の1人暮らし増加や家族の支援力低下により、身近に頼れる人がいない高齢者が「困ったらまずケアマネに頼る」という構図が生まれています。

2,急激な高齢化に追いつかない供給

府中市内では、地域包括圏内において毎年約1,000人単位で高齢者が増加しています。介護保険を利用するにはケアマネジャーによるマネジメント(ケアプラン作成など)が必須であるため需要が爆発的に増えていますが、働き手の数がそれに追いついていないのが現状です。

3,多大で複雑な業務量と事務負担

本来の業務であるケアプラン作成だけでなく、サービス担当者会議の議事録作成、日々の支援経過の記録、主治医や医療機関との連絡調整といった膨大な事務処理・書類仕事がケアマネジャーの心理的・身体的負担を重くしているとの現状が浮かび上がっています。

4,待遇面と高齢化による退職・離職

全国的な傾向と同様に、業務の大変さや心理的負担に対して賃金や待遇が見合っていない点や、新人ケアマネジャーが定着しにくい環境が指摘されています。府中市内では短期間に複数のケアマネジャーが退職し、多くの利用者が担当変更を余儀なくされるといった事態も実際に発生しています。また、ケアマネジャー自身の高齢化による事業所の閉鎖なども影響しています。

5,ケアマネジャーの役割、報酬体系、多職種連携の中心としての位置づけ

ケアマネジャーに業務が集中してしまう背景には、介護保険制度の構造や仕組みにおける「役割の多面性」「報酬体系の歪み」「多職種連携のハブ(中心)としての位置づけ」が主な原因として挙げられています。

(1)制度上の「窓口(ハブ)」としての一極集中化

介護保険制度上、ケアマネジャーは要介護者(利用者)と介護サービス事業者、さらには行政や医療機関をつなぐ唯一の公式なマネジメント窓口として位置づけられていると言います。

①連絡調整の義務付け:・・関係者から話を伺うと、サービス担当者会議の開催や、毎月のケアプラン(居宅サービス計画)の見直しや交付など、すべての連携業務がケアマネジャーを経由する仕組みになっているとのことです。

②「断れない」心理的・制度的状況:・・利用者や家族からの相談内容が、制度外のサービス(インフォーマルサービス)や単なる生活の困りごとであっても、他に公的な受け皿が少ないため、結果的にケアマネジャーが抱え込まざるを得ない仕組みになっている環境にあると言います。

(2)「基本報酬」と「加算」の仕組みによる経営圧迫

ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所の収入源(居宅介護支援費)は、ケアプランの作成件数に応じた固定の基本報酬がベースになっています。

そのため薄利多売の構造があるとのことで、 介護報酬の単価自体が低く設定されている現状があるそうです。事業所を維持するには、1人のケアマネジャーが制度上の上限(標準39件、2024年改定以降は逓減制の緩和により一定条件下で44件など)に近い、多くの件数を担当しなければならない仕組みになっているのが現状だそうです。

(3)複雑な加算手続き

報酬を増やすためには「特定事業所加算」や「医療連携加算」などの加算を取得する必要があるとして、これらを取得するための要件(書類作成、会議、24時間対応体制など)がさらなる事務負担を生むという悪循環が生じているとのことです。

(4)「ケアプランの全額自己負担なし(利用者負担ゼロ)」の仕組み・・コスト意識の希薄化

介護保険制度において、居宅介護支援(ケアマネジメント)の費用は全額が介護保険(公費と保険料)から給付され、利用者の自己負担は0円です。そのため、 利用者側からすると「無料のサービス」であるため、ケアマネジャーに対して過度な要望(制度外の個人的な雑用や、頻繁なプラン変更の要求など)をする傾向にありり、業務の肥大化を招く要因となっていると言います。

(5)厳格な「書類主義」と「監査対応」の義務・・膨大な事務作業が生じる現状

介護保険給付の適正化(不正防止)のため、制度上、非常に厳格な記録・書類の保存が義務付けられています。そのため、膨大なペーパーワークが生じており、 アセスメントシート、ケアプラン、支援経過、モニタリング結果など、すべての行動を文字で記録しなければ報酬が返還(ペナルティ)の対象になっているそうです。

とくに「支援経過」の負担が重いとのことで、日々のやり取りを記録する支援経過の作成には膨大な時間がかかり、これが本来の「利用者を支える」直接的な業務を圧迫していると言います。

6,医療との連携強化にともなうタスクの増加

近年の制度改定では、住み慣れた地域で最期まで暮らす「地域包括ケアシステム」の推進に伴い、医療と介護の連携が、求められています。医療スキルの要求と調整: 医師や訪問看護師との調整業務が制度上評価(加算など)される反面、専門性の異なる医療職との細かな連絡調整や、退院時カンファレンスへの参加など、拘束時間や精神的負担の大きい業務が義務化・推奨される形になっています。

これらの「すべての調整を引き受ける仕組み」「書類を残さないと報酬が出ない仕組み」「件数をこなさないと経営が成り立たない報酬設定」が複雑に絡み合うことで、ケアマネジャーへの業務集中と過重労働が発生している現状が深刻となり、ケアマネジャーの不足に拍車をかけていると分析されています。

~私もケアマネ不足については、今後も調査して引き続き議会でも質疑要望を強化していきたいと思います。

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