(府中市 府中囃子)府中囃子が府中で伝承されてきた歴史とは・・無形文化財を引き継いできた歴史(府中市議会議員 ゆうきりょう)
府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。
先日、私は府中囃子の競演会に参加させていただきましたが、あらためて府中囃子(ふちゅうばやし)の歴史について、インターネットなどで調べてみました。
一言にすると、江戸時代に完成された郷土芸能の流れを汲み、大國魂神社の祭礼とともに発展してきた深い伝統を持っているとのことです。伝承の正確な年代は定かではありませんが、古くから大國魂神社の祭礼に奉納されてきた歴史ともいえます。
1,江戸時代:二大流派の完成と府中の山車への伝播
江戸時代に、現在の府中囃子の基礎となる「目黒流(めぐろりゅう)」と「船橋流(ふなばしりゅう)」の二つの流派による演奏が完成したとのことです。
(1)伝承の始まり・・かつて府中(本町や番場など)では、外部(青梅や貫井など)から囃子手を招いて演奏を行っていました。その後、まず本町に囃子が伝わり、そこから番場、片町へと地域内で伝承されるようになっていきました。
(2)大國魂神社を境にした東西の流派
①神社の西側には、にぎやかで活気のある「目黒流」が伝わったとのことです。
②神社の東側には、優雅で洗練された「船橋流」が伝わったとのことです。
③共通の曲目・・流派は異なりますが、「屋台」「鎌倉」「国堅(くにがため)」「師調目(しちょうめ)」「印旛(いんば)」という共通の5曲(五方囃子)が現代まで受け継がれています。
2,昭和期:保存会の結成と文化財指定
戦後の地域社会の変化のなかで伝統を絶やさないよう、組織的な保存と普及の動きが始まりました。
(1)1966年(昭和41年)「府中囃子保存会」の結成: 各地域で受け継がれていた囃子連をまとめ、伝統を後世に伝えるために結成されました。現在では25の支部、1,000名を超える会員を擁する大きな組織となっています。
(2)1983年(昭和58年)府中市の技芸に指定: 府中の歴史を今に伝える貴重な無形民俗文化財(伝統技芸)として公式に認められました。
3,現代の見どころ くらやみ祭での「囃子の競演」
現代において、府中囃子が最もその熱気を見せるのが、毎年5月に開催される大國魂神社の例大祭「くらやみ祭」ではないでしょうか。
(1)5月3日の「囃子の競演」・・ 大國魂神社の参道である馬場大門のケヤキ並木に約10台の豪華な山車(だし)が集結します。
(2)競演の魅力・・ひょっとこ、おかめ、天狐(てんこ)、獅子舞などの踊り手たちと、笛や太鼓の音が響き合うなか、東西の山車がすれ違う際に互いの囃子をぶつけ合う様子は、くらやみ祭の大きな見どころの一つとなっています
3,府中市指定 無形民俗文化財
(1)府中囃子(ふちゅうばやし)
江戸時代からこの地域に伝わる郷土芸能の祭囃子(まつりばやし)です。くらやみ祭をはじめ、市内の様々なお祭りやイベントの山車(だし)の上などで、賑やかな太鼓や笛の音、ひょっとこや狐などの踊りが披露され、地域の伝統として大切に守られてきました。
また、これら指定文化財のほかに、大國魂神社の秋季祭(くり祭)で奉納される太々神楽(だいだいかぐら)や、伝統ある武蔵国府太鼓(むさしこくふだいこ)なども、府中の歴史と息づく無形文化の象徴として広く親しまれています。
しかしながら無形文化財とは、人から人へ伝承(継承)されないと、完全に消滅してなくなってしまいます。それは建造物や美術品などの「有形文化財」とは異なり、無形文化財の本質は人間の体や五感に染み付いた「わざ(技術・技能)」そのものだからです。どれだけ動画やテキストで記録を残しても、それを実践できる人がいなくなれば、それは文化財ではなく単なる「過去の記録データ」になってしまいます。
4,記録(動画・本)だけでは「わざ」を再現できない
伝統工芸の力加減、漆の微妙な粘り気の判断、伝統芸能の間(ま)や空気感などは、人間がもつ「暗黙知」と呼ばれる言語化できない感覚に頼る部分がほとんどです。
(1)先輩の技術を目で見て、肌で感じて、自分の体で何度も失敗しながら覚えるしかありません。
(2)後継者が途絶えてから「昔の動画を見て再現しよう」としても、道具の使い方のコツや感覚が分からず、元のクオリティで復活させることは極めて困難です。
5,「道具」や「原材料」を作る職人も連鎖的にいなくなる
また無形文化財(例:漆芸や染織)は、職人一人だけで成り立つものではないと言われています。
(1)特殊な筆、専用の織機、良質な天然の原材料(漆や繭など)を作る別の専門職人が必要です。
(2)文化財の担い手が減ると、こうした周辺の道具職人たちも食べていけなくなり廃業してしまいます。結果として、技術を受け継ぎたい人がいても「道具がないから作れない」という連鎖的な消滅が起きています。
6,【現在のリアル】少子高齢化で「指定解除」が増えている
現在、日本の多くの地域で少子高齢化や過疎化が進み、伝統的な祭りや技術を維持できなくなっているのが現実のようです。
(1)自治体から「無形民俗文化財」に指定されていたお祭りなどが、担い手不足を理由に指定を返上・解除されるケースが目立つようになっています。
(2)文化庁等の調査でも、伝統文化の担い手の約70%が60歳以上を占めており、まさに今、消滅の危機に直面しています。一方で、無形文化財はカタチがないからこそ、「時代に合わせて少しずつ変化しながら生き残る」という強みも持っていると言われています。
ですから、府中囃子を完全に昔のままを強制するのではなく、現代のライフスタイルに合うようにアレンジしたり(伝統工芸のクラウドファンディング活用やモダンデザイン化など)、地域外の若者やファンを巻き込んだりしながら、必死に「わざ」のバトンを繋ぐ取り組みもまた、大事ではないかと思います。
~私も幸町親交会を通じて馬場先青年会のみなさんによる、府中囃子(船橋流)で勉強させていただき、通算8年余りになりますが、あらためてお囃子の奥深さを感じています。私も毎週、教わりに伺っていますが、府中で継がれている府中囃子の伝統を、少しでも伴走者として貢献できたら嬉しく思っています。(ゆうきりょう)
※写真は令和8年元旦に幸町でお囃子をして回った様子
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