06 4月

府中市 ケアマネジャー(介護支援専門員)が不足する事態はなぜ起こっているのか(その1)・・厚労省の分析より(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の不足が問題となっていますが、厚生労働省の老健局による資料では以下のように分析しています。

1,ケアマネジャーの業務範囲外と考えられる依頼への対応(居宅介護支援事業所調査)

①直近1年間において業務範囲外と考えられる依頼に1回以上対応した事業所は67.5%であった。

②その理由として「緊急性が高く、自事業所で対応せざる得なかったため」が72.5%と最も多かった。

2,居宅介護事業所のケアマネジャーの業務範囲内と考えられる業務と実際に対応している業務

①介護保険制度以外の行政への手続きや申請の代行、支援

②本人や家族からのサービス調整などに関わらない、電話などへの対応、時間外相談

③代読・代筆

④入院・通院時の付き添い、送迎 (以上、厚労省老健局の資料から)

3,ケアマネの人材確保と定着に向けた方策について

(1)課題

①ケアマネージャーは、保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務または、一定の相談活動援助業務に従事した期間が通算して5年以上である者が、介護支援専門員実務研修受講試験を受験し、合格後の介護支援専門員実務研修を修了することにより、介護支援専門員の交付を受けて資格を取得することができる。

②介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数は、平成29年度までは10万人を超えていたが、平成30年度の受験要件の見直し後に減少し、現在は5万人弱となっている。合格者数も平成29年度までは2万人を超えていたが、現在は1万人ていどとなり、合格率は概ね20%台で推移している。

③ケアマネージャーの従事者数(実数)は、平成30年度の189,754人をp-クに減少傾向となり、令和4年度は183,278人となっている。

④さらにケアマネージャーとなっても、業務多忙や体力面、賃金などを理由に離職する者もおり、介護を要する高齢者が増加していくなかで、将来的にいっそう深刻な人材不足となる可能性が高く、人材確保は喫緊の課題となっている。

4,さらに議論を深めていただきたい論点

①ケアマネジャーの人材確保について、どのような考え方で進めていくことが適切と考えるか。

②介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数の増加のため、保有資格や実務経験等の受験要件の拡大や、受験しやすい試験方法に見直すことについてどう考えるか。受験資格を拡大することとしば場合、質を確保する方策にどう考えるか。

③また、ケアマネジャーとして従事している者の離職防止や、離職・退職したケアマネジャーの職場復帰に向けて、どのような対応策が考えられるか。

④離職要因としては「事務負担・業務負担の大きさ」「賃金・処遇面」「年齢:体力面が多い。

~ケアマネジャーの不足は府中市だけでなく、全国的な課題となっていますが、上記の厚労省の分析について、今後、国はもちろん、都道府県、また介護現場の最前線である市区町村がどのような対策を打ち出すかによっても、ケアマネジャー確保が変わってくるのではないかと、私は思っています。

★ケアマネの関連団体が、要望を取り上げるのは難しい(府中市のケアマネ団体)

私は以前、府中市長あての令和3年度予算要望のなかで「福祉施設や介護現場で働くケアマネージャーの要望について、本庁(市の関係部署)が吸い上げる仕組みをつくるよう検討してほしい」と要望しました。市の回答は「ケアマネージャーの要望については、関連団体でとりまとめのうえ、市に要望をいただければ検討します」というものでした。

一般的回答としてはこれでいいのですが、関連団体でとりまとめられないのが現状のようです。一人ひとりのケアマネージャーから、市に対して要望するのはやはり「困難」ではないでしょうか。今日では市の方から、新型コロナの感染拡大防止のために、積極的にケアマネジャーから意見や要望を聞くという姿勢こそ求められていると思います。(府中市議 国民民主党 ゆうきりょう)

※ゆうきりょうのブログをご覧になった方で、府中市に対するご意見、ご要望、苦情などありましたら、お気軽にメールなどお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、教育など、なんでも結構です。メールアドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします)

05 4月

府中市 災害時の2次避難先の備えを・・各地の自治体で宿泊業者との協力協定が進む(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

★能登半島地震の教訓、2次避難を防ぐために自治体と宿泊業者が協力を

先日の朝日新聞で、能登半島地震による2次被害の教訓を踏まえ、各地の自治体では災害時の2次避難先として、ホテルや旅館との間で協力協定を締結していることを伝えています。記事では「宿泊業者や旅行会社に客室の確保や支援を求める内容で、災害関連死を防ぐことが期待される」とあります。

記事では全国に101ヶ所でコンテナホテルを運営する「デベロップ」(千葉県)がホテルを提供する協定を38自治体と結んでいるとして、「13平方メートルの客室はベッドやユニットバス、エアコン、冷蔵庫を完備。災害時は公共施設の駐車場などにトレーラーでけん引できる」としています。同社と協定を締結した群馬県の担当者は「大型ホテルのない町村部や、移動が難しい被災者向けに2次避難所を用意できるのは心強い」と話しています。

★旅行会社と協力協定をする自治体も

他にも「都内の墨田区や大阪の大阪狭山市は昨年、ホテル、旅館の手配や移動手段の確保などの協力協定を東武トップツアーズと締結」「高齢化が進むなか、より環境のよい2次避難所を早く提供し、1次避難所の過密緩和につなげたい」としています。

同記事の中で「防災科学技術研究所の宇田川特別研究員は『2次避難が必要な特別な状況は地域によって異なる。地域で何が重要かを考え、関係する民間事業者と協定を結ぶことは意義がある』『健康状態など被災者の情報を1次避難所から2次避難所へどうつなぐかなどを事前に考え、備えておくことも大切』」と指摘しています。(参考、朝日新聞4月3日付)

~府中市においても市内にあるホテル業者など、民間企業、団体との間で、災害時の2次避難先の備えができる要素が十分にあるだけに、ぜひこうした施策の提案をしたいと思います。~

★多摩市ではパチンコ店の大型駐車場を利用できる連携協定を締結

私も2022年の6月府中市議会一般質問で、市内にある民間の商業施設、例えば大規模な立体駐車場などを備えている家電量販店や大型スーパーなど民間企業との間で大規模な水害が発生した場合、そうした店舗の立体駐車場などを無料で緊急避難場所として、避難者に開放していただくような協定の締結を求めて、質疑をしたことがあります。

★府中市の答弁⇒ 民間商業施設等との避難場所に関する協定についてでございますが、これまでに、複数の民間商業施設との間で、災害時における駐車場利用の協議を行ってまいりましたが、協定締結に至らない課題として、市職員の人員配置や建物を損傷させた場合の施設賠償のほか、無料で利用することなどが挙げられます。令和元年東日本台風では、車で避難される方が多かったことから、課題を整理し、今後も民間商業施設等への協力依頼を行ってまいりたいと考えております。

★ゆうきりょう主張⇒ 民間商業施設との指定緊急避難場所の課題ですが、5月21日付読売新聞多摩版に、隣の多摩市が水災害時において、パチンコ店「ドキわくランド聖蹟桜ヶ丘店」の施設を指定緊急避難場所として利用する協定を締結したと報じています。記事では「市内で大規模な水害が発生した場合、同店の立体駐車場を無料で避難者に開放する」「店は多摩川べりから南側約450メートルにあり、駐車場は計190台で2000人超が避難を余儀なくされており、市が店側に協力を依頼」とあります。記事のなかで多摩市の阿部市長は「災害時に地域のランドマークに駆け込めるのは、安全と安心につながる」としています。

※ゆうきりょうのブログをご覧になった方で、府中市に対するご意見、ご要望、苦情などありましたら、お気軽にメールなどお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、教育など、なんでも結構です。メールアドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします)

04 4月

府中市 公園トイレの早期改修、バリアフリー化を望みたい(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

★「年間3~4ヶ所の改修、おおむね10年以内に更新予定」(市の答弁)

府中市内の公園トイレに関する要望が、この間、複数の市民の方から寄せられています。この公園トイレについては私も以前(2017年9月議会)で一般質問で取り上げたことがあり、「福祉のまちづくり条例」にそって、公園トイレのバリアフリー化を要望したことがあります。また最近では府中市議会一般質問で、からさわ地平議員(共産党)がこの問題を取り上げられ、市は以下のように答弁しています。

●公園トイレの改修について、 インフラマネジメント計画等を踏まえ 年3か所から4か所の工事を 想定している。

●街区公園などの公園トイレ66か所は、その多くで老朽化が進んでいるとともに、バリアフリー化も図られていない。また、和式トイレのみとなっており、今後、建替え需要があるものと見込んでいる。

●建替え工事は、市インフラマネジメント計画や事業の平準化を踏まえ、年3か所から4か所を想定しており、特に老朽化が進んだトイレは、おおむね10年以内に更新が図られるものと捉えている。(議事録から抜粋)

~以上の答弁にもあるように、市としても順次トイレ改修を行っているが、優先順位を決めて実施しているようです。府中市には「公園施設長寿命化計画」という方針があり、そのなかでも公園トイレについても改修を方針化しています。最近では比較的、軽微予算で公衆トイレを設置できる技術が普及しており、例えは、府中公園にある公衆トイレもそのような形式のもです。また年間3~4ヶ所ペースでは遅いという声もあります。ぜひこのご要望にある、トイレについて市に早急の改善を要望したいと思います。(府中市議 国民民主党 ゆうきりょう)

★多摩格差は「公園トイレ格差」でもある(市民の声)

また市民の方から以下のようなお声をいただいています。

①多摩格差は「トイレ格差」、千代田区の公園トイレはウォシュレットが多く、豊島区はアートをしています。渋谷区はスケルトンなトイレを導入し「こんあことに金を使うな」と一部から批判されているらしい。多摩地域は全体的に公園トイレが貧弱です。

②市立公園のトイレの改修と防災時の活用計画を求めたい。身近な公園は災害時には市民が集まる可能性が高いので、断水にも対応できるように、防災用トイレ転換備蓄、またベンチトイレの新設も望みたいです。

③多摩川土手沿い。是政橋付近の「昭和風」トイレの早期改修工事を希望

「府中市 公衆便所」をリニューアルできないかという件で相談です。その場所は府中市側の多摩川土手沿いの道、是政橋から100~200m下流にあり、信号機のある土手の上から北側に、「府中市 公衆便所」の看板があります。土手側のグラウンドは休日、野球、サッカー、ソフトボール等でかなりにぎわいます。また「多摩川風の道」はサイクリング、マラソン人でこれもにぎわいます。

ところがこの便所は見るからに「府中市 公衆便所」という「昭和」のつくりで、女性が利用するには二の足を踏む雰囲気、グラウンドでは中高生女子も沢山います。是非このトイレを一度ご覧頂き、このままでよいかリニュアルすべきではないでしょうか。ぜひこの際、ご自身で判断戴ければ幸いです。(以上、市民の方からの要望より)

※ゆうきりょう のブログをご覧になった方で、府中市への要望などお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、学校教育など、なんでも結構です。 アドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします) 住所・・府中市紅葉丘2-6-3、メイプルタウン吉野D202

03 4月

府中市 ケアマネ(介護支援専門員)の実務研修費などにかかる受講費用を予算化・・府中市令和7年度予算のポイント⑯(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

府中市の令和7年度予算のなかに、介護支援専門員の実務研修費が計上されています。内容は、介護支援専門員の実務研修および再研修にかかる受講費用の補助、また新たに現任研修および更新研修、主任介護支援専門員の研修および、更新研修の受講費用を補助するというものです。予算は335万円。

介護支援専門員はケアマネジャー(ケアマネ)と一般的に言われていますが、最近、このケアマネが府中市内で減少しているという話があり、近く関係者から話を伺い、6月の一般質問で取り上げたいと考えいて、今回の市の予算がケアマネを保護する施策となるよう、調査したいと思います。

★静岡市では職能団体と協力して、ケアマネを保護する対策を講じる

以前、静岡新聞に掲載された記事のなかに、静岡市がこのケアマネの問題について職能団体とも協力して、啓発用のリーフレットなど作成し、啓発していることなどを紹介。この記事によると「ケアマネにとって家事の代行、家事支援は業務の対象外だが、高齢化が進むなかで近所に身寄りがいない独り暮らし高齢者、認知症の高齢者、またその家族から依頼されるケースが多い」として、「ケアマネは何でも屋のイメージがついている」(職能団体「静岡市ケアネット協会の関係者)。

この記事では「同協会は解決策として手始めに、絵などでケアマネ業務を分かりやすく紹介するリーフレットを作成、先行する横浜市の事例を参考に行政と連携して取り組む方針で、静岡市も協力する姿勢を示す」とあります。また「他の機関につなぐべき業務」はその対応先として、「NPOやボランティア団体、サポート事業者をあげた。住民主体の安価な有償ボランティアが対応する地域もあり、検討会は市町村が地域課題として協議すべきと指摘」しているとあります。(参考資料、静岡新聞1月11日付)

★もはやケアマネの善意に頼れる状況ではない

もはやケアマネの方々の善意や親切心だけに頼れる状況ではなく、府中市もケアマネの職能団体とも協力して、静岡市のような対策を講じるべきと主張しました。恐らく市の介護保険課の担当者の方も、こうした現場のケアマネの声は知っていると思われますが、現状、対策が打てない状態でいるのではないでしょうか。この問題については、ぜひ6月の市議会一般質問でも掘り下げて取り上げたいと考えています。

※在宅高齢者がケアマネージャーに「業務外」の依頼をするケース(静岡新聞1月11日記事より)

①主な例・・部屋の片づけ、ゴミ出し、買い物などの家事支援、②福祉サービスの利用や利用料支払いの手続き、③入院や入所中の着替えや必需品の調達、④死後の事務など

~こうした業務に本来対応するのは、自費サービス、NPO団体、ボランティア団体、地域包括支援センター、社会福祉協議会、終身サポート事業、市町村などです~

※ゆうきりょう のブログをご覧になった方で、府中市への要望などお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、学校教育など、なんでも結構です。 アドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします) 住所・・府中市紅葉丘2-6-3、メイプルタウン吉野D202

02 4月

府中市 高齢者災害時 要援護者の個別避難計画を作成へ・・府中市令和7年度予算のポイント⑯(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。

府中市令和7年度予算のなかに高齢者向け施策が複数レベルアップ事業(予算の増額)があるので、そのなかの1つを紹介します。

①高齢者災害時要援護者支援事業費(個別避難計画の作成)・・災害対策基本法改正にもとづき、避難行動の支援を必要とする高齢者の個別避難計画を作成するもの。予算・・167万円

★現状は民生委員や町内会による紙媒体での名簿管理、自治体は2025年までに名簿提出の努力義務

以前の読売新聞にNECが2024年にも市町村向けに高齢者らの災害時避難計画について、デジタル化するシステムを提供するとの記事がありました。現状は町内会などが情報を集めて紙媒体で名簿を管理する仕組みですが、デジタル化を通じて安否情報を即座に共有することで、被災時の逃げ遅れ解消につなげるとしています。

この記事にもありますが、災害時の避難計画は要支援者の高齢者や障害者ごとに個別に作成しなければなりません。「21年の災害対策基本法が改正された際、市町村には25年までをめどに整えるよう努力義務が課せられている」とのことです。しかしながら記事では「23年1月時点で、『全部策定済み』と回答した市町村は約9%のみ」とあります。

また同記事では「避難計画は要介護度など個人情報のほか、避難先や経路などを記録する」「新たなシステムではタブレット端末に情報を入力、クラウド上で保管、避難経路は入力データーをもとに自動作成するため、10分程度で作業が終わる」とのことです。

★市町村と町内会による情報管理の共有で避難対策もスムーズになる

このソフトによるデジタル化で、「民生委員や町内会の役員らが情報を聞き取って紙に記入して、市町村と共有する手間がなくなる」としています。「またデジタル化することで、市町村と町内会が要支援者などの情報共有をできる」のとあわせて、「被災状況を踏まえて避難の優先度をサイト上で示すことが可能となる」とし、「支援者に対しても災害時発生時にスマートフォンによる支援要請を自動通知する」としています。これにより、「人手が確保しやすくなれば、要支援者の逃げ遅れ解消につながる可能性もある」と記事にあります。

恐らく府中市においても要支援者のデジタル化はまだ未対応だと思われます。NECは府中市内にもある有力企業なだけに、恐らく今回のデジタル化システムの提供については、同社から市に対して情報が寄せられていると思われますが、私もこの課題についてぜひ質疑で要望したいと思います。(府中市議 国民民主党 ゆうきりょう)

※ゆうきりょう のブログをご覧になった方で、府中市への要望などお寄せください。福祉、街のインフラ、防災、産業、環境衛生、学校教育など、なんでも結構です。 アドレス yuki4551@ozzio.jp  電話090-4136-7642(電話にでない際は、留守電にお名前をお願いします) 住所・・府中市紅葉丘2-6-3、メイプルタウン吉野D202