(府中市 デジタル地域通貨 ふちゅPay)府中市の物価高騰対策としての「ふちゅPay」を、利用者に便利な地域通貨にするために(府中市議会議員 ゆうきりょう)
府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。
この9月の府中市議会定例会で市は、長引くエネルギー価格や物価の高騰から市民生活を守るため、総額約39億2,300万円の補正予算を編成し、そのなかで、デジタル地域通貨「ふちゅPay」関連予算が可決されました。今回の特徴は、物価高対応として、長引く物価高の影響を受ける市民生活を支援するため、「子育て世帯への給付事業との連動」と「消費活性化を狙うポイント還元」の2軸で物価高騰対策・地域経済支援を強化している点があります。
1,子育て支援給付との連動(受け取り時に1,000円上乗せ)
今回の補正予算では、物価高騰に直面する子育て世帯を支援するため、18歳までの子ども1人当たり1万円分のデジタルギフトを給付する事業が実施されます。
(1)特徴: 給付金の受け取り先として「ふちゅPay」を選択した市民に対し、1人あたり1,000ポイント(1,000円分)が追加で上乗せされます。
(2)予算規模: 対象者のおおむね半数(約1万8,750人)がふちゅPayを選択すると想定し、事務経費を含めて1,926万6,000円が計上されています。市民への直接的な還元とともに、ふちゅPay自体の普及(キャッシュレスインフラの定着)を一気に進める狙いがあります。
2,20%のポイント還元キャンペーンの実施
地域経済のさらなる消費活性化と事業者の支援を目的とした、大規模な還元施策が組み込まれています。
(1)特徴: 加盟店(約650店舗)にてふちゅPayで決済した際、購入額の20%分のポイントが還元されます。
(2)上限額: 利用者1人あたり上限3,000ポイント(3,000円分)に設定されています。
(3)「ふちゅPay」導入の背景と目的とは
「ふちゅPay」は、単なる購買支援にとどまらず、「行政からの給付インフラ」と「地域内での経済循環」を同時に達成するための中心的なツールとして位置づけられています。
3,ふちゅPay制度の主な問題点・デメリット
(1)初期の登録者数の伸び悩みと予算の未執行
市は当初、13万人の利用を想定していましたが、初年度のアプリ登録者数は約6万人にとどまりました。国の交付金の期限や財務省への登録認可手続きの遅れなども重なり、当初の補正予算(約4億2,950万円)に対して決算額は約1億7,432万円と、予算を大きく使い残す結果となりました。
(2)高齢者層の利用率の低さ(デジタルデバイド)
利用者の年齢層に偏りがあり、70歳代以上の利用者は全体のわずか8%にとどまっています。スマートフォンやアプリの操作に不慣れなシニア層が取り残されている点が大きな課題です。
(3)キャンペーンの複雑さと分かりにくさ
「全店対象」と「商店会加盟店限定」の2種類のポイント還元キャンペーンが同時期に実施された際、ポイントの適用範囲や利用方法が利用者にとって非常に分かりづらく、店舗側でも説明ミスや混乱が生じました。また、もらったポイントの有効期限が短い点も指摘されています。
(4)公共施設や公共サービスでの利用制限
府中市の施設(美術館や指定管理施設など)や市役所の窓口では、ふちゅPayが使えない場所が多く残っています。一方で、窓口では他社の民間キャッシュレス決済(PayPay等)が導入され、市が数%の手数料を支払っている矛盾が指摘されています。
4,市民や議会からの主な要望
(1)分かりやすい説明と操作サポートの強化
複雑なポイントシステムやアプリの設定方法について、「広報ふちゅう」の記載をシンプルにするなど、市民に寄り添った分かりやすい周知を求める声が上がっています。また、高齢者向けの操作サポート窓口の継続・拡充も求められています。
(2)利便性の向上(銀行チャージや他サービスとの連携)
当初はコンビニATM等での現金チャージが中心でしたが、利便性を高めるために銀行口座からの直接チャージ機能が要望され、導入が進められました。また、東京都の「東京アプリ(東京ポイント)」との連携によるインセンティブ付与なども提案されています。
(3)行政施策・子育て支援との連動
単なる買い物時の還元だけでなく、行政サービスや子育て世帯への給付(例:子ども1人あたり1万円の給付時にふちゅPayを選ぶと1,000円上乗せされる施策など)と連動させ、日常的な経済循環のインフラとして定着させてほしいという要望があります。
(4)ふるさと納税や外部資金の流入の仕組みづくり
市民だけの利用にとどまらず、ふるさと納税の返礼品として「ふちゅPay」を活用するなど、市外から府中市へお金が流れ込む仕組みを作ってほしいという要望も議会から出されています。
~「ふちゅPay」については、今後の市内経済活性化の有力なデジタル地域通貨であり、他の多くの自治体でも地域通貨の導入が進んでいます。同時に利用者の立場からは不都合な点が浮かび上がっています。今後も議会から市に意見要望を提出し、よりよい地域通貨制度にするよう、働きかけていきます。(ゆうきりょう)
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